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ジュエリー貴金属用の接着剤のおすすめを検証|強度別2選と注意点

linoa

こんにちは。
みなさんは自作でジュエリーやアクセサリーを作ることはありますか?

例えばペンダントに宝石を接着したり、パーツを組み合わせて作った皮ひもネックレスやチェーンなどに通し、オリジナルのペンダントネックレスを作ってみたり。
金属のプレートに誕生石を埋め込んでみたり。

ここで疑問に思うのが「貴金属や宝石は何で接着するの?」ということ。

もちろんパーツで組み込むものなど、接着方法にはさまざまなパターンがありますが、今回は接着剤を使った方法に焦点を当ててみます。

記事のご案内

情報は2025年2月時点です。
記事公開日:2025年2月22日。
情報は、20年以上貴金属ジュエリーと接している私と専門業者とのお話から、かんたんにざっくりと説明したものです。
記事の目的は、悩まないように選択肢を少なくし、「まずは取っ掛かりでやってみてください。そこから自分なりの最高の接着剤を探ってみましょう。」というスタンスです。

貴金属・宝石の接着は接着剤で良いか

貴金属やアクセサリーにセメダインの接着剤

「そもそも貴金属・宝石・アクセサリーって何でくっついているの?」
答え:多くは接着剤。またはロウ付け・溶接などです。

天然石の接着やネックレスの接着、丸カンの接着など、大きい物から小さい物まで、接着剤を使用していることは珍しくありません。
もちろん職人がロウ付けや溶接によって見栄えを良く接着するのが最も理想ですが、私たち一般人からしたらそんな技術も設備も整っていない人がほとんどです。

接着剤を貴金属に使用してはいけないの?

「接着剤のほとんどは貴金属には使用しないでくださいって書いてありますよね?」
答え1:貴重な貴金属や宝石に使用した場合、修正が利かず、強度にも保証ができないため。
答え2:しかし、ジュエリー貴金属業界でも接着剤は使用されています。

そうですね。
貴金属はお金に換えられる素材もあれば、天然石のように数百種類の分子レベルでできた素材もあります。そのパターンは数千以上でしょう。
それらのすべてに責任をもって一括して「使用しても良いですよ。」とは言えません。
せっかく大切な貴金属を接着しようとしたら、石がかすんでしまったり、金属部分が変色しやすくなったりすることも否定できません。
価値のあるものを保証していたらキリがないし、保証しても元に戻せません。

それだけさまざまな素材が存在し、多くの素材を一言で貴金属と呼ぶ以上、すべての貴金属に使えるかどうかは正直わからないというのが現実です。

貴金属業界では、接着剤の特製を理解し、使える素材に使える接着剤を使用しています。

この記事では結論「接着剤を使って良い」とは言っていますが、自己責任において使用してほしいのです。

今は環境にも人にも優しい接着剤が増え、気軽にハンドメイドジュエリーやハンドメイドクラフトが楽しめるようになりました。
私も接着剤をフル活用しますし、貴金属業界でも使用されています。

そこで今回は、貴金属専門業界の知恵を借りて、おすすめの接着剤を紹介します。
たくさんあると悩んでしまうので、汎用性のある2種類だけ紹介しますね。
この2種類が100%完ぺきというわけではなく、それぞれのみなさんなりの使いやすさや用途に合わせたものを見つけ出すきっかけの物になればと思います。

接着剤失敗例

1.接着剤がはがれてしまう
2.そもそも接着されない
3.瞬間接着剤を使ったら、色が白くなってガビガビになった
4.ベタベタになったのにくっつかない
5.接着剤に色がついていて黄ばんでいる

これらは私自身がすべて経験したことです(笑)。
情けないことに、専門家のアドバイスを聞く前に私は何本も接着剤を試しては失敗しています。

タイプ別接着剤の得意・不得意

接着剤は用途によってさまざまな特徴があります。
ホームセンターなどで見てみるとわかりますが、その種類はハンパではありません。
屋内の壁紙から屋外の金属接着まで幅広く。

「屋外で使用できるものは強度が強い接着剤だから、何でも使えるように思えるけど…。」

しかし、屋外の金属接着が可能だからと言って、プラスチックや合皮などは利用不可の接着剤も多く、すべての素材に適用できるものはほとんどありません。

速乾性か遅乾性か

私たちが貴金属を扱う場合は遅乾性がおすすめです。

接着剤というと、いわゆる瞬間接着剤のようなすぐにくっつくもの (速乾性) と、12時間くらい経って徐々に固くなるもの (遅乾性) の2種類を思い浮かべます。

結論から言えば貴金属に使いやすいのは遅乾性の接着剤です。
簡単に言えば、合成樹脂 (エポキシ) タイプの接着剤がおすすめです。

ちなみにそれぞれメリットとデメリットがあります。

速乾性のメリット

すぐ乾く。
頑丈に固定される。

速乾性のデメリット

化学変化を起こしやすい (貴金属が白くなるなど)。
修正がきかない。
きっちり固まってしまいあそびの柔軟性がなく、ポキっと壊れやすい。

遅乾性のメリット

時間がかかるので修正がきく。
拭き取れる。
化学変化を起こしにくいものが多い。
やや柔軟性があり、動きに耐性がある。

遅乾性のデメリット

完全接着まで時間がかかり、ずれてしまう可能性がある。

エポキシ樹脂系なら速乾性は必要ない

同じ遅乾性のエポキシ系接着剤の中でも、より速乾をうたう商品も多いです。中には数分で固くなってしまうものもあります。
こちらも使用用途によりけりですが、できれば速乾性は求めない方が理想です。

1液タイプと2液タイプ

2液混ぜるタイプの方が強度が強いものが多いけれど、素材に合わせて使い分けるのがおすすめ。

1本で使い勝手の良い1液タイプの接着剤と、2本を混ぜ合わせて使う2液タイプがあります。
利用目的によってどちらでも使用できます。
しかし、合皮や重い石など特殊な組み合わせを必要とする場合は、2液タイプの方が強度が強いものが多いです。
少し面倒ではありますが、1液タイプを使っているけれどどうもうまくいかない、という方はぜひ2液タイプを使用してみてくださいね。

1液タイプにおすすめのジュエリー

クラフト
木製
皮革
プラスチックやスワロフスキー
ビーズ

2液タイプにおすすめのジュエリー

天然石
金属
合皮・ラバー

接着しにくい素材の組み合わせを知ろう

ラバーや合皮+金属

これが本当にくっつかなくて苦労しました。
つるつるのラバーや合皮は接着剤を染み込ませる余地がなく、接着しにくい分野のトップクラスです。
特に金属と合皮の組み合わせをOKとしている接着剤は非常に少ないです。

仮に「金属とラバー・合皮の組み合わせが接着可能」となっている接着剤でも、実際は強度が非常に弱かったり、ネックレスの留め具のように左右上下の柔軟な動きに対して弱いものがほとんどです。

私はおおよそ20種類以上の接着剤を試してみましたが、その中で完全に接着が可能であったものは1つだけ。そして日常使う分には問題の無いレベルの接着剤も1~2種類にとどまっています。

ラバーや合皮の接着にはコツがいる

つるつるのラバーや合皮の表面に接着剤を塗っても、きれいさっぱりとはがれてしまいます。これは、単に接着剤が効かないだけでなく、表面に接着剤が絡み込まないことも考えられます。
そこで、ラバーや合皮を接着する簡単なコツがあります。

表面に傷をつける

表面をカッターでシャカシャカと傷をつけたり、やすりで凹凸をつけることで、接着剤が絡みやすくなります。

では、実際に接着可能な接着剤を記載してみたいと思います。
もちろん紹介する接着剤の他にも接着可能なものがありますし、組み合わせによって使用できるものは増えます。
とっかかりとして試してみてください。

おすすめの接着剤2つ

こういった紹介ページにはさまざまな接着剤を紹介しているものが多いですが、種類がありすぎて混乱したり、結局はどれがいいの?と言った方も多いかと思います。
ここでは1液タイプと2液タイプのおすすめ2種類だけをご紹介しますね。

貴金属接着に重宝されるアラルダイトAR-S30

ジュエリー貴金属用に使えるアラルダイト

ハンツマン アドバンスト マテリアルズの登録商標、スイス生まれのアラルダイトというブランドは貴金属の接着で重宝されています。
特に「アラルダイト 金属・ガラス・陶磁器用 AR-S30」は、接着までがかなり時間を要しますが、少ない量で完全に接着してくれる優れものです。

品番  :AR-S30
液タイプ:2液タイプ
強度  :強い
値段  :800円~1500円

メリット

合皮やラバーと貴金属の接着も可能。
多くの素材に対して変色しない。
粘着性があり扱いやすい。
かなりの強度。

デメリット

数時間の間ほとんど固まらない。
固まってしまうと修正不可能なくらい固定される。
大手メーカーでは販売中止となっている。

※毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令によりアラルダイトの一部の商品は2018年に販売中止となっておりますが、AR-S30に関しては指定外とのことです。
また、アラルダイト自体の店頭入手は困難かと思われます。
参考:https://www.nichiban.co.jp/news/18-06/180627-araldite_info.pdf

2025年時点でAR-S30を購入できるサイト

Amazon
楽天

貴金属接着に使い勝手の良いセメダイン SUPER X ハイパー

貴金属アクセサリーに使用できるセメダイン接着剤

値段もリーズナブルなのにさまざまな素材を接着することができる1液タイプのエース。
セメダインの「スーパーXシリーズ」
基本的にこのXシリーズならわりといけますが、
「スーパーXハイパー 超多用途」を使用しています。
Xハイパーは通常のXシリーズにプラスチック系の接着も可能となっています。
また、
速乾性のあるXゴールドよりも透明度が高く、黄ばみも少ないのが特徴です。

もちろん革と金属、シルバーなども接着可能。
ただし何をしても剥がすことができないほどの強度は持ち合わせていません。

さまざま試した結果、同じような用途タイプの他の接着剤よりも優れた接着を実現してくれています。

合皮やラバーと金属の組み合わせは、多少の接着なら可能。グイグイと力を加えてしまうと外れてしまうのでご注意。

品番  :AX-176
液タイプ:1液タイプ
強度  :普通~強め
値段  :400円~600円前後

メリット

1液タイプで扱いが楽。
どこでも売っている。
安い。
多用途でほかの利用もできる。
同じようなタイプの中で強度が強い。
はみ出した部分が固まっても指で剥がせる。
軟性に富んでる。

デメリット

強度は完全ではない。
高温にやや弱い(夏場の直射日光などではずれやすくなる)。

用途に合わせてうまく使い分けよう

ジュエリー貴金属の接着には、素材によって接着剤も変わります。

本当はもう少しご紹介しても良いのですが、今回ご紹介した2種類の接着剤は、多用途という面で優れているため、あえて2つだけご紹介しました。

みなさんにもお気に入りの接着剤があるかと思いますし、もっと使い勝手の良い優れた接着剤もあるかと思います。
ただ、もしハンドメイドジュエリーやクラフト用の接着剤で悩んだ際はこの記事が少しでも参考になれば幸いです。
また反面、すべてにおいてこの記事で書かれていることが正しいわけではありません。
この記事を切り口に、より良いものと出逢えることを願います。

どうか良い作品ができますよう、みなさんを応援しています。
つたない内容の記事ですが、最後までありがとうございました。

当ブログについて
リノアネックレス
リノアネックレス
昨今の世界情勢や物価高騰など、おしゃれとして貴金属・ジュエリー・アクセサリーを身に着ける機会が減ってしまったかもしれません。しかし、この業界と世界観を応援し、同じ分野の他店も含め一緒に盛り上げたいという気持ちで立ち上げました。 みなさんのそばに、ちょっとだけ生活を豊かにするおしゃれが見つかりますように・・
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